蟻は今日も迷路を作って

真面目な話からそうでない話まで。本当の話から嘘の話まで。蟻迷路(ありめいろ)という人が書いてます。

君に会えないということ

  ぶん、遠距離恋愛になったら身がもたないんだろうなと最近思う。

 というのも、一週間会えないだけでこのザマだからだ。

 

 このザマ一覧

・すべてにおいてやる気が出ない

・性欲がなくなる

・食欲減退

・眠りが浅くなる

・ため息が出る

・泣きたくないのに涙が出そうになる

・デカいニキビが腹にできる

・肩こり

・背中の痛み

・常にイライラしてしまう

 等。

 

 更年期だろうか?

 いやちがう。私はまだ23歳だ。

 単に恋人に会えないというだけで精神的にすり減らされて肉体にもダメージが波及しているのだ。

 たかが一度の日曜日に会えなかっただけでこのザマ。この体たらく。はっきり申し上げると、このブログを書くのだってしんどい。なにが目的でこんなことを書かなければならないのか。

 

 私たち二人は、特に4月以降毎週会うことを欠かさなかった。

 お互いに社会人となってそれだけで過度のストレスを得るし、気心の知れた愛する人と会うことが癒しをもたらしてくれる(それも絶大な癒しだ)ことに気付き、すがりつくように毎週会っていた。

 それが先週、土日のお互いの予定が合わず、久々に逢瀬できなかったのだ。

「来週は会えないね」先々週会ったとき、私がそう言うと、恋人は答えた。

「でも、最近なんだか会いすぎていたから、たまには会えないときがあってもいいかもね」

 

 びっくりした。

 

 少なからず私はショックだった。

 どうしてそんなことを言えるのだろう?

 

「そうだね」私はそう言ったけど、会ったその日の帰りは「来週は会えないんだ……」と早速暗い気持ちになり、夜の車窓に映る自分の顔がみすぼらしく情けないものに見えた。

 あとから電話口に聞いたことによると、「最近は会いすぎて、あなたに会うときの姿勢がだらけていたように思うの。あなたがいるのが当たり前で、甘えられるのが当然だと信じていて、遅刻したり、テキトーにだらだらしちゃったり、ついイライラしたり。そういうのよくないなぁって。だから会えない日もあった方がいいと思ったの」

 

 恋人の言わんとすることは一理あった。

 3年も付き合っていると東京のデートスポットと呼べる場所に行きつくしてしまい、デートはマンネリ化していたし、私も恋人がいることが当たり前だと思うようになり、テキトーに扱ってしまったところがあったかもしれない。

 3年も付き合うと、いちいちトキメキといったものはなくなり、ただそこにいるだけの幸せが育まれる。その甘さに甘えていたのかもしれない。

 でも、それはそれでいいじゃないか、心地いいじゃないかと私は思っていた。精神年齢が私と恋人は30歳くらいかけ離れているので(ネットで診断したら恋人は十代、私は四十代後半だった)、気持ちが良いと感じる幸せの価値観は異なるのかもしれなかった。

 

 私としては会うたびに恋人に可愛いと言い、好きだと言い、電話をしたら歌を歌い、くすぐったい言葉を心から恋人に伝えていた。私は生来のロマンチストなのだ。

 だけど、それもまたマンネリの一因だったのかもしれない。

 恋人が電話口で伝えたかったことはそんなことじゃないとわかっている。

 

 結果として、先週会えなかったことは私の心を灰色にし、恋人とのかかわり方を見直すきっかけになったので、良かったとも言える。

 こう書いてみて思ったけど、私は面倒くさい奴なのだろうか?

 急に自信がなくなってきた。

 やはり、こんなこと書くべきではなかったのだ。死にたいとすら思える。

 

 私がいま生きているのは完全に恋人の存在あってのことで、彼女がいなかったら私はすぐにでも死のうと思う。というか、すでに死んでいただろう。それだけ現世は厳しく儚い。神さまがいないってことを証明してくれるように。

 だから恋人が神様なのだ。

 推しだ。

 

 今週末は会えそうなので、そのために生きようと思う。

 晴れたら紅葉を見に行きたい。