蟻は今日も迷路を作って

くだくだ考えては出口のない迷路に陥っている

Kindleくんとの生活

 前にも書いたが、サイバーマンデーセールでKindle端末を買った。

 6000円オフならそりゃ買うでしょ。半額近いのだ。

 

 電子書籍には疎いタイプで、べつに反感も持っていないし、特別紙の本が好きなわけでもないのだけど、なんか手を出していなかった。買うのが面倒くさかったし、お値段も高かった。本なら本屋で買えばいい、そう思っていた。

 しかし、いざKindle端末を使ってみると、こちらの方が金銭的にも時間的にも経済であることがわかる。

 Amazonのポイントで安くなるし、数回タッチすれば本が2秒で買えるし、ついでに端末の重さは文庫本程度なので体力にも経済、一石三鳥である。

 これが人類の英知かぁ。すばらし。

 使ってみるとスイスイ動くし、文字の大きさも丁度良いし、特殊な液晶だかわからないけど(説明を読んだけど忘れた)、文字の見た目の質感は紙にかなり近くて目のストレスは皆無である。

 充電も長持ちで、残電を気にして読書に集中できないということもない。

 なによりも優れているのが、防水という点だ。(機種により異なります)

 私は風呂で本を読むのだが、これまでは湯気で本がふにゃふにゃになり、挙句にはぶくぶくになるなど、本にとっては好ましくない環境であった。ちょっと濡れたまま放っておくと、梅雨にはカビが生えていみじきことになる。

 Kindleは防水なので、まさに風呂場で読むために存在しているみたいなものだ。紙が傷む心配をせずにのぼせることができる。

 

 おおむね満足しているKindleではあるが、もちろん不満な点もある。人間だもの。

 ひとつは、液晶保護シートを貼った際に、ほこりが入ってしまったことである。これは完全に私のミスだ。気になって仕方がない。横着してベッドの上で貼ったのが良くなかった。風呂場で貼るべきだった。小さい空気の塊を潰しても、忘れた頃にほこりを挟んだ場所に空気が集積し、また泡となる。なんだこれ。一度気になるとずっと気になる。

 もうひとつは、画面が光を反射することだ。

 液晶なので光を反射してしまうのは自明の理、これをどうにかしろと無理を言うのは、チンパンジーから羊毛を獲ろうとすることくらい無茶なことである。我慢して、日光を反射してひとに迷惑をかけることがないように配慮するしかない。その点、紙は良かったと言える。紙はぴかぴかしない。

 

 この二つ以外の大抵の不満は設定をいじればどうとでもなる事であって、やはりおおむね満足していると言える。

 買ってよかったっ、と思う。

 Kindleで読んでいると、なんか急に賢い人になれたみたいで嬉しい。そう思ってしまうところが賢くない人の特徴であって、そういう人のKindleの画面にはほこりが挟み込まれているものだ。

 まじでどうにかしてくれ。