今週のお題「お風呂での過ごし方」
湯船には心底疲れた日か、あるいはとても気分がいい日に浸かる。
別に普通のときには浸からずにシャワーで済ます。食べ物に感動的な美味しさもなく、天気は晴れていてやや雲があり、仕事上面倒くさいことはあったものの後に引きずらないでその日のうちに終えることができ、読んでいる本はつまらないで放り出すほどのものでもないけど一か月もしたらさっぱり忘れてしまいそうな、程よく憂鬱で平凡な幸せの日には湯船に入らない。
眼精疲労、肩こり、頭痛、歯痛、ニキビ、過食、一過性脳虚血発作、絶望、抑うつ、痔瘻など、ストレスや肉体の疲労があるときにはぬるめの湯に浸かって本を読む。
とても気分がいい日にもやはり風呂で本を読む。
風呂に本を持ち込むと湯気でふにゃふにゃになってしまうので電子書籍を持ち込んでいる。
Kindleは防水だが、ある日風呂で読んでいたらバグって文字が大きくなったり小さくなったりを繰り返したのち、ページがワッと200ページくらい進んで勝手に「読了」したため、以来風呂では使わなくなった。
画面に付着した結露かなんかが影響して誤動作を起こしたのだろう。風呂で使わなければ尋常なのだが、これではわざわざ防水の端末を買った意味が無い。
なので、スマホを持ち込んで読んでいる。
私の使っているiPhoneは防水で、川底に沈めても大丈夫らしいと噂である。これならぬるま湯程度ものともしないだろう。
風呂で読むものはなんでもいいのだが、大抵は小説である。
ぐーっと作品世界に引き込まれていくと集中にしたがって風呂時間が長くなり、毎度のぼせかける。風呂の窓を開けて、熱くなったら一旦出て風呂椅子に腰かけてなおも読書を続け、体が冷えてきたらまた湯船に浸かる。
この交互浴が気持ちいい。それでいて小説も読めるし、ストレス発散になるのだ。
でも本当に危ないときもあるので注意したいし、たぶん体に良いものではないはずだ。
関係ないけど、夜道を歩いていてときたま香るどこかの家庭の風呂のにおいが好きだ。
誰かがリラックスしている雰囲気が、どこかの家から漏れ出ていて、その香りを吸い込んだ私もなんだか心が落ち着いてくる。香りに混じって風呂でお父さんと子どもが歌う声が聞こえると微笑ましくもなる。
風呂は平穏のそこにある幸せの象徴なのだ。
コロナが落ち着いてるうちに遠くに出かけて旅館の温泉に浸かりたいところだ。また流行ると行けなくなるから、全体的に落ち着いてる今の内、11月中旬までくらいが遠出のチャンスだと思う。