休日の至福の一時は、平日と同じ時間に目が覚め、うわっ出社しなきゃ最悪だよドームズデー(最後の審判)かよまったく世界は滅べばいいのになんて言うけどおれの中ではすでに滅んでいる、と思った一瞬の後に「今日は休日だからもう少し寝ててもいいんですよ」って天啓を受けてそれに気付き、これ以上に無い安らぎを得て二度寝に入る、その一時である。
あの一時に、私は最強になれた気がする。
無敵ちゃん、爆誕。と呟いて、今日も後悔するくらい二度寝した。
以上、休日でした。
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休日の外出自粛が要請されている(おかしな日本語だ)ので、私は恋人にも会えず、美術館にも行けず、水族館でペンギンをせせら笑うこともできず、闇雲な近所の散歩も自粛していて、部屋の中でとぐろを巻いてジッとしている。
恋人と会えなくなって気付いたのだが、私は恋人と会わないと、どうやら美味しいものを食べられないらしい。
彼女がお店を紹介してくれたり、連れて行ってくれるから、私は毎週末「グルメ」にありつけていたのだ。
最近はそれがなくなり、会社の食堂の値段に見合わない不味い定食と母の料理しか食べていないので食事に新鮮さが無い。コンビニの食品は美味しいけれど、根幹のところで「同じ味」がして段々飽きてくる。保存料とか油のせいだろうか?
ひとりで美味しいものでも食べに行けばいいのだけど知らないし、行ったところで自粛しているし、それに確実なことがひとつあって、恋人と食べないとそんなのは美味しくもなんともないのだ。
どうにも気分がくさくさする。
インドア派なので、部屋に篭りきりなのは苦でもないのだけど、「自粛を要請」されると外出したくてたまらなくなる。
普段は気にも留めていないのに、卒爾(そつじ)に植物園でオオコンニャクの花を観賞したくなる。
外に出てやるべきことはたくさんある気がしてくる。土器を作るための粘土を採取したりディズニーランドを測量しなければならない気がしてくる。
ていうか恋人に会いたい。
外に出たいというか、それだけだ。恋人さえいればずっと家の中でいい。
恋人と散歩でもしたい。会って手に触れたい。隣で同じ風景を見ていたい。彼女のまわりの空気を吸いたい。マスクを通さずに。
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今週の平日は労働が過酷で、いままでで一番キツかった。
来週以降もまた別の案件でキツくなる見通しだ。
幸い、終電までには帰れているけど、長めの残業が続くと時間感覚がおかしくなって、家に帰って寝るだけの生活が続くと家での記憶が無いため、毎日が昨日の続きであるかのように錯覚する。
いや、毎日が昨日の続きって当たり前なんだけどさ。
要するに仕事しかなくなってしまうのだ。ブログを書く気力も残らず、へとへとなので本を読む気にすらなれない。『カラマーゾフの兄弟』なんてとても読めない。
ブログ書き溜めておいてよかった。おかげで毎日更新を続けられたけど、毎日書いているわけではないので、こうして書くのは4日ぶりくらいでなんだか楽しい。
平日がキツいと休日が楽しみなものだけど、今週金曜の夜はそこまで楽しみじゃなかった。
あぁ明日(土曜)はちょっと長く寝られるーくらいのテンションだった。
結局のところ、恋人に会えない休日なんてほとんど価値が無いし魅力もないのだ。
なんとなく居心地の悪い実家で気配をひそめて毛布にくるまり、凍えた小さな窓から青空を眺めることくらいしかやることがない。暇だし募金でもしようかと思う。