秋の夜長って言葉がある。
秋の夜は長いよーって意味だ。
馬鹿にしてんのか。
いままで私はこの言葉に対してちょっとした反感と言うか、侮蔑の情を抱いていた。
秋に限らず夜は夜だし、単に日が短くなっただけだろうが。なにをそれ特別な意味にしとるんじゃ。おい、コラ。秋。などとおもっていた。
先に、謝罪させていただきたい。
秋へ。
秋の夜は長いです。
それを実感せずのうのうと25回も秋を経験してきて申し訳ありませんでした。
秋は好きな季節です。本当です。
蟻迷路より。
昨日の夜、私は初めて「秋の夜長」を経験したのだ。
17時前に仕事が終わり、在宅勤務だったので、すぐさまキッチンへ立ち、さつまいもを水にさらしてアクを抜き、米を研いで、さつまいもの炊き込みご飯を作った。
ネギを刻んでわかめを戻し、味噌汁をこしらえて、あまりものの肉じゃがに火を入れた。
一通り夕餉の準備ができたら、恋人が帰ってくるまでに風呂に入り、ブログを書いた。
それでもまだ恋人が帰宅しないので、おかしいとおもい時計を見て、驚いた。
まだ18時半になろうかという時間なのだ。
恋人が帰ってくるのは19時過ぎなので、まだ帰るわけがない。
恋人が帰ってから夕餉を食べ、片付けをし、アイスなどを食べ、ゴロゴロして過ごした。
風が気持ちいい。秋の声がそこらの草むらから聞こえてくる。
時刻は20時半過ぎで、月曜の夜とは思えないまったり感に身を許していた。一週間は始まったばかりで、本当の絶望はこれからなんだ。嘘みたいだった。
YouTubeで昔の音楽をいろいろ聴いて、今の音楽との思想の違いを考察したりしていたら、さすがに時間はだいぶ過ぎて22時になっていた。
でも、まだ22時だ。
うとうとしていたら眠ってしまって、23時に起きた。
そういえば明日の分のブログを書いていない、と気付いて(さっき書いていたのは別の日に公開予定のブログである)、寝ぼけ眼を擦って、曖昧模糊とした脳神経をすり減らしてなんとか書いた。
ちょうど0時前になっていて、すぐにベッドに入り、瞼を閉じたら、永久に目覚めることはなかった。
おわり。
いや、朝に目は覚めたんだけど。
それにしても昨日の夜は時間が長かった。
どうしてこんなに秋の夜は長いのだろう……そうだ、これを「秋の夜長」とでも名付けて一種の風流にしようかな、などと考えもした。
ああ、あれが「秋の夜長」だったのだなぁ。本当だったんだ。
私は多忙で日々やることが多いので(本を読む、文章を書く、料理をする、YouTubeを見る、えっちな画像を漁る、恋人にセクハラまがいのことをする、酒を飲み優れた若者に悪態をついてくさくさする、など)秋の夜長を有意義に使って充実した時間を過ごしているが、やることのない人は何をしているのだろう。
そういう人は、ジグソー・パズルなどをやると良いと思います。