蟻は今日も迷路を作って

くだくだ考えては出口のない迷路に陥っている

誰のためのハロウィンか

稚園生の頃、近所のママ友のやっている英語教室に通っていた。

そこでは毎年この時期にハロウィンパーティをやっていた。

まったく英語は身につかなかったけど、ハロウィンパーティが開かれていたことと、毎月細かい手書きで書かれたA3サイズの会報みたいなものが発行されていたことは覚えている。

たいした英語力もないママ友のやっている英語教室に息子を通わせていた経緯なんて考えなくてもだいたいわかる。そこそこ権力のある金持ちのママだったのだ。

 

ハロウィンでは仮装をする。

子どもたちは母親が手作りの衣装に身を包み、近所のお宅を回ってお菓子を受け取るのだ。

どの家庭も母親の手作り衣装だった気がするのだが、ちょっとすごくないかそれ。意識が高すぎる。今だったらドンキで買いそろえるだろう。

お菓子を貰うためにまわる家庭も親たちで口裏をあわせていて、たぶん許可をもらったりアポイントメントを取っていたのだろう。

ハロウィン当日は英語教室に集まりなんか写真を撮ったり食事をしたりした後、家を回ってお菓子を蒐集、満足したらその後解散をするという流れだった。ようにおもう。

 

これらのことからもわかるように、親たちにかなり気合が入っていたイベントだった。

 

「よその家には負けたくない」という感情もあったのだろうけど、それにしたって準備が面倒くさすぎるし衣装を手作りなんてやりすぎた。キリシタンは誰一人いなかったのに。

でも、こうまで気合が入るのにも頷ける。

子どもたちがお化けの仮装をしてうろうろするなんて、可愛いに決まっているのだ。

可愛い子どもたちを見るためならこれくらいのことするかもしれない。

 

もしも子どもがいたら、仮装をさせてお菓子を集めさせたい。私だってそうおもう。

なんか黄色くて大きいカボチャの飴を持たせたいし、籠をお菓子でいっぱいにさせたい。ダボダボの衣装でゆらゆらさせたい。

子どもの可愛さを考えたらそりゃあ気合も入るよな。

 

私に子どもがいたら、節分をガチでやりたい。子どもたちに豆を投げつけられたい(育児Mか?)。

クリスマスなんて絶対に楽しいじゃん。12月1日から、あの、なんていうんだっけ、クリスマスまでに毎日1個ずつ開けていく中にお菓子が入ってるカレンダーのやつとかやらせたい。一緒にツリーの飾りつけをしたい。ケーキを焼きたい。クリスマスプレゼントで喜ばせたい。

 

「子どもたちの笑顔のため」は「親たちの幸せのため」でもあるんだなぁ。

 

私は本当に幼いころからそういったイベントが大嫌いで、いつもムスっとしていたから、親には申し訳ないことをしたとおもっている。親はいろいろイベントに連れて行ってくれたけど私はそれをほとんどすべて反故にしてきた。なんかみんなでワイワイやるのが面白くなかったのだ。今でもそうだけど。

本当に小さいころからイベントが嫌いだったから、これは親の育て方というより生来のものかもしれない。

とすると私の子どももそうなる可能性が高いわけで……。

 

………………。

 

なんて仮想をしてもしかたがないですね。仮装をしましょう、今日くらい。