蟻は今日も迷路を作って

くだくだ考えては出口のない迷路に陥っている

霜月と占いに左右される男

う11月である。

11月ってなんだっけ。そうそう、えーと、あ、霜月。

霜月の晩に。って『モチモチの木』にありましたよね。あの木はなんでモチモチの木って言うんでしたっけ。餅が採れるんでしたっけ。忘れましたよね。

 

まだ終わってもいないのに2020年が終わったかのような「総まとめ」の心持になってきた。

いうてまだ2ヶ月もあるやん。まだまだ遊べるやん。って私の脳内に巣食う関西人でも地球人でもない無頼者がイカ臭いゲップをしてつまらなさそうに言う。

ああ、今年も何も成し遂げられなかったな。

無頼者は、いやいやいや、これからやでぃ兄貴さァ、と尻を掻いている。

こいつは無責任な、関西人でも地球人でもない生命体だが、無責任なりに重要なことを時々言って、無責任ゆえに発せる激励やなんか良いことを謎のタイミングで呟くので、脳内から追い出さずにとりあえず好きにさせている。

だけどこいつの言葉は一時的に熱を持たせても無責任ゆえに愛は無く、ちょっと良いことを言いたいだけに過ぎず言葉は心の表面を撫でていくだけで着火剤のようなパワーは無い。

私はもっと、力が欲しい。

無頼者にすがっているようではダメなのだとおもう。

 

   ↓

 

恋人が友だちと占いに行ってきて、なんとなく私のことも占ってもらったらしい。

以前にもそういうことがあって、私は占いを信じないと言いつつも、実はめちゃくちゃ信じてしまい思い悩んでしまうので占いは嫌いなのだが、恋人を占ううえで私との相性や私の人間的な性質も占う必要があったため、仕方の無いものらしい。

そして私を占ってもらったのなら、結果は聞きたいではないか。

 

ちなみに以前、2019年に占ってもらった私の運勢は、「2020年は人生が変わる出来事がある」「今のままでは永久に小説家にはなれない」「仕事人間になる」などだった。

たしかに2020年は肉親が死に、大学を卒業して就職し、相続争いで大変な目に遭い、私どころか家族と親族の命運が完全に分かれた空前絶後の一年だったので、占いは当たっていた。

「小説家になれない」はかなりショックだった。でも、なんとなくそんな気もしている。とにかく今のままではダメなのは確かだ。小説は書かないと小説にならないということに最近気づいたところだ。

「仕事人間になる」はまったく当たっていない。

あと、恋人の天職は今の仕事、というのも当たっていなかった。恋人は翌年転職をしたのだから。

 

 

今回占ってもらったところ、私はこの2ヶ月でなにか方向転換の決断をするらしく、来年の4月までに別の道というか、なにかが変るらしくて、だけどそれは決して悪い方向性のものではないらしい。

2021年は私も恋人もツイてる年らしい。いいことずくめではないけど、ツキが回ってくるとか。

って、来年の話をしてもしかたがないし、今日とか明日を着実にやっていくしかない。

でもなんか、もう霜月。

なんとなく、焦燥感に駆られる寒さを覚える。