蟻は今日も迷路を作って

くだくだ考えては出口のない迷路に陥っている

空に浮かぶ船/実家の汚さ/猫の毛の愛しさ/謹賀新年

元の友だちと海に行ったら、船が空に浮かんでた。

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あちらの海の色が異なるので浮いてるように見えるのか、それとも蜃気楼のような現象で、温冷差で空気の密度が変わって光が屈折したのか、詳しいところはわからない。

とにかく船は宙に浮かびゆっくりと海上を滑っているように見えた。

まぁ正月だし、空中浮遊くらいするだろう。

これが200年くらい前だったら、船の空中浮遊を私の魔力と称して近隣の村人の心理を掌握できたかもしれないと思うと、ひじょうに惜しい気がした。村人たちはまともな教育を受けておらず、文字も読めないのだ。言葉と演出で私の威光を示せたかもしれない。

そんなことを友だちと話しているといつの間にか船は空中浮遊をやめて波間に落ち着き、南を目指して行った。

 

正月から実家に帰っている。

実家には実家特有の「汚さ」があって実家ならではの衛生意識が浮き立っており、自分はもう違う家に住んでいるのだと帰るたびに実感する。

なぜ実家には実家なりの汚さがあるのだろう。

たぶん、家族という小さい社会がこびりついていて、他の社会と隔絶しているために自分達を客観視できず、特有の衛生感覚に鈍感になるのだ。

外国に行くと日本では考えられない衛生状態で食品を売っている屋台や料理屋が存在する。皿に正体不明の油しみがついていたり、パイナップルにハエがたかっていたりするが、地元の人は普通に食べている。

それと感覚の仕組みは近い。

 

実家には2頭の猫がいる。

掃除機を毎日かけてもそこら中が毛まみれになるため、ソファのへりの部分やキャットタワーの掃除は半ば諦めているようだ。

TwitterとかYouTubeで自宅の飼い猫を売り物にしている猫アカウントの家はいつも綺麗だけど、どうしているのだろう。

猫アカウントは私が知らないだけで無数に溢れていて、バズり目当てに飼っている人も多く、無責任な飼育放棄や虐待も後を絶たないのだろうな。

閑話休題。(使ってみたい言葉第一位)

私の服もすぐに毛まみれになるのでコロコロして毛を払うが、立板に水である。さんざんコロコロして完璧だと思って外に出ると、フードの裏側から毛が出てきたりして油断ならない。猫たちはいつ毛をつけてくるのだろう。

でも、自分の家に戻ったとき、ふと服に猫の毛がついていると寂しくなるので人間とは勝手なものだ。

猫たちのそんな しれっとした気配を感じる。

 

今年もよろしくお願いします。