蟻は今日も迷路を作って

くだくだ考えては出口のない迷路に陥っている

プチ帰省

事終わり、実家へ帰った。昨日のことだ。

職場から実家までは1時間半ほどかかり、仕事が終わったのが19時過ぎだったので、実家の最寄りに着いたのは21時前だった。

21時までやってる飲食店は近所ではデニーズしかなくて、とりあえずそこへ逃げ込んで、ミックスグリルとビールを頼んだ。

店内は若いカップルばかりで、どうやらみんな大学生らしかった。彼らは今、春休みなのだ。いいもんだ。このまま夜明けまで話し込んだりするのだろうか。

ミックスグリルにしたのは、たんぱく質をいちばん摂れそうだったから、という理由だ。ビールで糖質を摂取するのでライスはつけなかった。大人にもなると、そういう食べ方をしてもいいのである。

 

母と妹が遠方にある父の墓参りに行くため、留守番として私が実家に一晩だけ帰ることになっていた。

家には猫ズがいる。猫どもは「カリカリマシーン」によって時間になると自動で給餌される機械で食事ができるのだが、やはり一晩留守にするというのは不安なので、私が出向いたのである。

食事を終え、実家に帰ると、猫たちが視線で出迎えてくれた。

「ただいま」

猫たちは喋れないけど、人間の言葉は理解しているので、思っていることや伝えたいことや連絡事項などは猫の前では積極的に口に出すようにしている。

「元気にしてた? オヤツでも食べるか?」

食べるに決まってる、と訴える視線を投げかけられたので、ちょっとだけオヤツをあげて、撫でさせてもらった。

私が手を差し伸べると、モコモコの毛に覆われて丸くなった頬を手の甲にすりつけてくる。なんて可愛い生き物なのだろう。

 

そうしてまったり過ごして、猫のトイレ掃除をしたり、猫の食器を洗ったりして、実家にあった酒を勝手に飲んで、1時ごろに眠った。

翌朝、7時半に起きて、カリカリマシーンが猫に給餌するのを見守り、猫たちに挨拶をしてから、また1時間半かけて仕事へ向かった。

ちょっと疲れたものの、猫たちのおかげでパワーをもらえた。コートについてきた猫の細くて長い毛が、愛しくてたまらない。