蟻は今日も迷路を作って

くだくだ考えては出口のない迷路に陥っている

退職手続き

社へ出社し、退職手続きをしてきた。

先日は現場を去った意味での退職だったが、今日は本当に事務手続きをして書類で退職をする。

いくつかの書類に署名をしてハンコを捺し、社内規定や社員証を返還した。

本社に来るのは健康診断のとき年に一回だけ、新入社員研修のときに2ヶ月半ここで過ごしたけど、合計3年半の思い出なんて特にない。

正面玄関はガラス窓が前面に張り出されて美しいのに、裏門の従業員出入口の方はスーパーの搬入口みたいで、ビルの中も客人を通すところ以外は設備が古くてエレベーターも遅く、そういうところが嫌いだった。

3〜4ヶ月に一度、現場に顔を出していた次長に挨拶を済ませ、今日初めて顔を合わせた部長に挨拶し、手土産の菓子折りを置いて会社を去った。

じつに呆気ないものだった。

なんかもっといろいろやらされたり話があるものかと不安だったので、あっさり終わってよかった。昔同じ現場にいた厄介な先輩も行き先がなくて今は本社で窓際を守っていると話を聞いていたが、彼もいなかったので助かった。

だいたい、本社の人たちとはほとんど面識もないので、こうなるのは当然と言えば当然だった。

 

会社へなんの恨みもないので、こうして清々しく終われたことは幸福に他ならない。

朝の都心を会社へ行く皆さんと逆行して駅へ向かうのは心足取りが弾むもので、私がミュージカルなら歩きながら歌い踊って、ジャン!と決めたところでビル街の空にタイトルバックが表示されるだろうなと妄想した。

実際には、転職というひとつの話が、終わったところなんだけど。

 

いろいろなことがあったけど、これで晴れて、転職活動がすべて終わった。

はやくも来週から新しい職場に勤める。

あまり頑張らずに平常心で、楽しく過ごしていければいいなと、思う。

私はずっと前を向いている。