蟻は今日も迷路を作って

くだくだ考えては出口のない迷路に陥っている

義父義母の衣装合わせ

婚式に向けて、今日は義父と義母の衣装合わせをした。

ギフ・ギボは会うなり「東京は寒いね」と背中を丸めた。風の吹き荒ぶ駅改札で20分ほど待たせてしまったので(妻が集合時間を間違えた)、寒いと感じるのは当然だろう。今日はこれでも小春日和である。

お昼時の少し前に駅近くのお蕎麦屋さんに入った。

祝日のためというのもあったのか、あたりの飲食店は全然開いていなくて苦肉の策で選んだお蕎麦屋さんだったのだが、その割には美味しかったのでよかった。でも、その割には、というレベルなので、もっと美味しいお蕎麦屋さんはあるのだろうという思いは抜けきらなかった。でもまぁ、普通に美味しかった。

ギボは衣装合わせに緊張してあまりよく眠れなかった、と溢した。そういうところは妻にそっくりである。

妻と緊張する場面は違うものの、なにかあると心配しすぎたり、余計なことを考えてぐるぐるしてしまうのはやはり血のつながった親子なのだなと見てとれて、なんだか和む。本人が緊張している手前、和むなんて言ってられないが微笑ましいことだ。

一方でギフは緊張していなかったが、体型のことを気にしていた。おれに合うモーニングはあるのか、いやでも世の中にはいろんな体型の人がいるからきっと大丈夫だろう、来月人間ドックがあるけど今回はもう諦めたんだ、うんぬん。

なんだか、こういうところも妻そっくりである。

妻もひとつを気にすると居ても立っても居られないいられなくなるのだ。

 

衣装合わせ自体はそそくさと速やかに終わった。お二人とも恥ずかしがって、もうこれでいい、これにしよう、という感じで、パッと合わせてすぐに決まった。でも二人とも似合うものを選べたので結果としてはスムースでよかった。

帰りに喫茶店に寄ってケーキを食べた。

「今日のワンピース、ちょっとキツかったからダイエットしないと」とギボは言いながらも、罪深く美味なモンブランを頬張っては満足そうであった。

なんだかんだ言いながらも、お二人とも楽しみにしてくれている。

結婚式まであと3ヶ月。いろいろと決まってきて、いよいよなんだと実感が湧いてきた。