そこらじゅうの人に感謝を申し上げ、得体の知れない「天使様」への祈りを捧げている、ヘッダーが四葉のクローバー畑のブログによく遭遇する。
内容はともかく、感謝をするのはいいことである。
その人自体が幸運の象徴になるような素晴らしいブログなので、どんどん書くといいと思う。徳というのは銭みたいに貯まっていくもんだから。
私のようなブログとは違って、そういった大天使感謝系ブログは誰も傷つけないので殊勝なことである。そしてブログ閲覧数がこのブログを優に超えていることは言うまでもなかろう。
いったいどういう人が書いているのだろう。
当然だけど、街中のどこかにはいるのだろうな。
もしかしたら今交差点ですれ違ったあの人かもしれない。もしかしたら電車で向かいの席に座ったこの人かもしれない。スーパーのレジのおばさんかもしれない。郵便屋さんかもしれない。隣の家の人かもしれない。
わからないが、どこにいてもありえる話ではある。
この世の中というものの情報量の多さにはほとほと呆れる。
私に人生があるように、この交差点を行き交うすべての人に人生がある。
交友関係があり、成功があり、失敗があり、恋があり、失恋があり、介護問題を抱えている人もいるし、借金に追われている人もいるし、さっきまでセックスをしていた人もいるし、全国大会に出場した人だっている。
殺人鬼だって。
行き交う人がどんな人間であるかは到底計り知れない。
この世の中にある本をすべて読むことが不可能なのと同じように、すべての人と知り合うことはできない。
できればみんなと友だちになって、その人が人生で経験したいちばん絶望的だったことを聞いて回って、この世で最悪なこと第一位を決めたいが、そんなことはできない。
ひとりひとりの人生の物語を編むとしたら、現在だけではなく、過去数万年にわたって存在し、恐るべき数になってしまうだろう。その情報量は宇宙よりも大きなものになるかもしれない。
時折、そんなことを考えて、とてつもなく圧倒されてしまう。
追伸
ちょっと忙しかったりして毎日はブログ書けなくなります。大丈夫。元気です。では。