私は1995年12月生まれなので、同学年の早生まれには、数名、1996年2月29日生まれがいた。
そいつらは4年に一度、示し合わしたように、たとえば12歳の年には「いやぁ、今日でようやく3歳ですよ」なんてことを言ってはクラスで注目を浴び、閏年生まれの恩寵を得て、出生そのものが特別なことであるかのようにしていた。心底羨ましかった。
今日、その人たちは7歳になる。
私と同じく28歳でもあるから、おそらく社会人になっていて、会社に勤めたり、パートナーと同居していたり、誰かと仕事をしたりしているだろう。
やはり、あの頃と同じように、「今日で7歳なんすよ」って言っているだろうか?
言っているのだろうし、話題になるだろう。
羨ましい。あの頃とは違う意味で。
この年齢になって、生まれたことそのものが特別であると認識できる機会があるのが、羨ましい。
ところで、閏(うるう)はどういう意味なのだろう。
「潤い」と音もつくりも似ているけど、さんずいがないだけで、異様な雰囲気を纏っている。
調べてみた。
暦の調整、そのままの意味らしい。
「暦の上の季節と実際の季節とのずれを調節するため、一年のうちの日数・月数を普通の年より多くすること」という意味の漢字が「閏」だ。
「暦の上の季節と実際の季節とのずれを調節するため、一年のうちの日数・月数を普通の年より多くすること」という意味を一言で表す漢字があるのだからすごい。
やっぱりなんか、特別だ。