料理を失敗すると3つのものが無駄になる。
食材、時間、金。
ついでに食事も一品減る。
だから失敗したら自分を戒めて二度とこんな思いはしないと誓うのだが、油断すると失敗する。
慢心こそが敵。
先日、ポテトの揚げ焼きを作ったとき、塩の分量を誤ってしまい気づいたときには失敗していた。
塩辛くてとても食べられず、ビニール袋に捨てたときには「食材、時間、金の無駄」の文字が巨石となって頭上に降り注いだような気分で、まったく愚かで成長のない自分にほとほと愛想が尽きた。
ジャガイモは泥を洗ったり皮を剥いたり芽を取ったり水にさらしたり、まぁまぁ手間のかかる野菜だ。在宅仕事が終わって、小さめの芋を4個、彼女が帰ってくるまでに下処理したあの時間が無駄になった。
油やガスや野菜に使った金額が無駄になった。
そしてジャガイモたちが無駄になった。
塩塩塩塩。塩の味しかしない。塩をそのまま食べた方がマシだった。芋のわずかな風味が屈辱のスパイスになって余計に塩辛く感じたから。
失敗の原因は急いでいたことにある。料理中の違和感を忙しさにかまけて無視したのだ。
料理中、ほんのわずかでも「待てよ、ちょっとおかしくないか?」と思ったら手を止めてそのことについてよく考えた方がいい。ちょっとおかしく思えるということは、何かがいびつなのだから。
これは仕事にも言えることで、違和感があったらちゃんと向き合った方がいい。あとあと大変なことが起きたりあのときやっておけば、なんてことになる。
自分の失敗は本当に許せなくてはっきり言って食べる資格なし、とまで思っているのだが、他人の失敗は別に許せるし、許せるというかなんか、あーあしょうがないね、まぁ気にするなよ、ってなんとも思わないくらいの感情しか抱かない。
他人が失敗して安心するのだとしたら最悪だなと思う。救いようのない人間だ。
でも(多分)そうじゃなくて、本当になんとも思っていないだけだ。ある意味薄情かもしれない。
☆☆☆
今日も暑いみたいです。
水分補給と、塩分、摂ってください。