YouTubeで「ピーマンは片栗粉をまぶして揚げたものがいちばん美味い」という智慧を得てからそれにハマっていて、これがピーマン料理の正解の形だと確信している。
今までピーマンの肉詰めが正解だと思っていたけど、ちがった。「揚げピーマン」が正当な答えだ。
ピーマンの独特な苦味やニオイが消えるし、むしろピーマンの甘みが出てくるし、これが酒にも合うし、冷めても美味しい。
そして何よりも、作るのがクソ簡単というのが生活の味方だ。
私たち現代人は、有名人の悪口を投稿したり、当たりもしないスマホゲームのガチャを引きまくったり、知らん奴を一方的に憎んだり、ただ闇雲に絶望したり、ぬか喜びするのに多忙を極めている。
そんな生活の中で揚げピーマンは一握の砂に光る砂金のように小さく強く輝いて見えるほど、作るのが簡単だ。
レシピを紹介するまでもない。想像のとおり。
切る、まぶす、揚げる。以上。
あえて冗長に説明してみようか。
まずはピーマンを好きなように切る。縦に細く切るといい。細すぎなくていい。
種はトル。普通ピーマンの種は食べないから。メロンの種を食べる人がいないように。
そして切ったピーマンを水に浸ける。なんかこれをすることで嫌な成分が抜けるらしい。本当かどうかは知るよしもない。たぶんこれは一種の「祈り」だろう。これをすることで美味しくなる、と信じることで本当に美味しくなる。
Q. どのくらい浸ける?
A. 知らん。
5〜10分とか。待ってる間にさっき使った包丁とまな板を洗っていればいい。それが終わったら換気扇の汚れでも観察していればいい。
もういいかな、と心が満足したら、水気を切って(よく切ったほうがいいと思う。油に入れるとはねるからね)、片栗粉をまぶす。
Q. どのくらいまぶす?
A. 知らん。
何でもかんでもな、量や時間を気にするんじゃあない。
心が満足するまでまぶせばいいよ。多い方が安心だな、と思うならそうすればいいし、ケチって少なめでもいいだろう。一般的な感性の人ならその中間くらいでやる。
次に油で揚げる。この油の量もフライパン(卵焼き用の小さいやつ)に1mmくらいでいい。
で、揚げる。
揚げ時間もフィーリング。片栗粉の端っこがなんかカリッとしてきたらもう油からあげていいよ。最悪火が通ってなくてもいい。ピーマンなんて野菜なんだ、生でだって食える。ひとくち食べてみて、なんか嫌だな、と思ったら再度油に入れればいい。いいんです、そんなことしても。そんなことで誰もあなたを裁きはしない。
あとは塩と胡椒をかけて食べるだけ。
どう?簡単でしょう。冗長にしても短いし。
サクサクで軽くて食べやすく、ピーマンの嫌なところが完全消滅するので子どもでも食べやすいかも。
こういう食べやすいものを食べて美味しさを覚えると、ほかのピーマン料理も食べられるようになったりするから不思議だ。
ぜひお試しあれ。